退職代行を使って会社を辞めたけれど、源泉徴収票が届かなくて困っていませんか
転職先での年末調整や確定申告に必要な大切な書類なのに、手元にないと不安になりますよね。
実は、退職代行を利用した場合でも源泉徴収票は必ず受け取ることができます。会社には法律で発行義務があるからです。ただし、通常の退職とは違って、自分から積極的に行動する必要があります。
この記事では、退職代行利用後に源泉徴収票を確実に取り寄せる方法から、転職活動への影響を最小限に抑える対処法まで詳しく解説します。焦らずに対応すれば、必ず解決できる問題なので安心してください。
まずは、なぜ源泉徴収票がもらえないのか、その理由から見ていきましょう。
退職代行を使ったら源泉徴収票がもらえない理由
退職代行を利用すると、なぜ源泉徴収票の受け取りでトラブルが起きやすいのでしょうか。主な理由を理解しておくことで、適切な対処法を選ぶことができます。
会社側が意図的に渡さないケース
退職代行を使われた会社の中には、感情的になって源泉徴収票の発行を拒否するところがあります。「勝手に辞めたのだから、書類は渡さない」といった理不尽な対応をされることも珍しくありません。
しかし、これは完全に違法行為です。所得税法第226条により、会社は退職日から1か月以内に源泉徴収票を交付する義務があります。感情論で法的義務を無視することはできないのです。
退職代行業者が書類の受け取りまで対応していないケース
多くの退職代行業者は、退職の意思を伝えることが主な業務で、その後の書類手続きまでは対応していません。特に一般的な退職代行サービスでは、源泉徴収票の発行手続きを代行することができないのが現実です。
弁護士が運営する退職代行サービスであれば、法的根拠をもって書類の発行を求めることができますが、それでも実際の受け取りは本人が行う必要があります。退職代行を選ぶ際は、アフターフォローの範囲を事前に確認しておくことが大切です。
郵送先の連絡不備で届かないケース
退職時に正確な住所を伝えていなかったり、退職後に引っ越しをしたりした場合、源泉徴収票が届かないことがあります。会社側は発行したつもりでも、宛先不明で戻ってきてしまうパターンです。
また、退職代行業者を通じて住所を伝えた際に、情報の伝達ミスが起きることもあります。特に急いで退職手続きを進めた場合は、こうした連絡不備が発生しやすくなります。
源泉徴収票がないと転職先で困ること
源泉徴収票が手に入らないと、転職先でどのような問題が起きるのでしょうか。具体的な影響を知っておくことで、対処の緊急度を判断できます。
年末調整ができずに税金の手続きが複雑になる
転職した場合、新しい会社で前職の源泉徴収票を提出して年末調整を行うのが一般的です。しかし、源泉徴収票がないと年末調整ができず、自分で確定申告をしなければなりません。
確定申告は手続きが複雑で、税務署に行く時間も必要です。また、還付金がある場合でも、年末調整に比べて受け取りが遅くなってしまいます。働きながら確定申告の準備をするのは、想像以上に大変な作業になります。
転職先での入社手続きが遅れる可能性
多くの企業では、入社時に前職の源泉徴収票の提出を求められます。書類が揃わないと、人事手続きが完了せず、給与計算や社会保険の手続きに影響が出る可能性があります。
特に年末が近い時期の転職では、年末調整の準備で源泉徴収票が急に必要になることがあります。転職先の担当者に迷惑をかけないためにも、早めに準備しておくことが重要です。
確定申告で必要書類が不足する
源泉徴収票は確定申告の際の重要な添付書類です。医療費控除や住宅ローン控除などの申告をする場合、源泉徴収票がないと正確な所得金額を証明できません。
税務署で相談すれば代替手段もありますが、手続きが煩雑になります。また、給与明細で代用する場合は、1年分すべてを保管している必要があり、紛失していると対応が困難になります。
退職代行利用後に源泉徴収票を取り寄せる3つの方法
源泉徴収票を確実に受け取るための具体的な方法を、実行しやすい順番で紹介します。状況に応じて最適な方法を選んでください。
退職代行業者経由で再度請求してもらう
まずは利用した退職代行業者に相談してみましょう。業者によっては、追加のサポートとして源泉徴収票の発行依頼を会社に伝えてくれる場合があります。
退職代行業者に依頼する際は、「源泉徴収票を○○(自分の住所)に郵送してもらうよう会社に伝えてください」と具体的に伝えることが大切です。曖昧な依頼では、会社側も対応に困ってしまいます。
弁護士系退職代行なら法的根拠をもって請求可能
弁護士が運営する退職代行サービスを利用していた場合は、法的な観点から源泉徴収票の発行を求めることができます。所得税法に基づく発行義務があることを明確に伝えてもらえるため、会社側も無視しにくくなります。
ただし、弁護士系の退職代行でも、書類の受け取り代行まではできません。あくまで発行の催促や法的根拠の説明が主な役割となります。
一般的な退職代行でも交渉は可能
一般的な退職代行業者でも、会社との連絡窓口として源泉徴収票の件を伝えることは可能です。法的な強制力はありませんが、第三者を通じて依頼することで、会社側も対応してくれる可能性が高まります。
業者によっては追加料金が発生する場合もあるので、事前に費用を確認しておきましょう。無料でサポートしてくれる業者もあるため、まずは相談してみることをおすすめします。
自分で直接会社に連絡して請求する
退職代行業者を通じても解決しない場合は、自分で会社に連絡する必要があります。気まずい気持ちもあるかもしれませんが、法的な権利なので堂々と請求して構いません。
連絡する際は、人事部や総務部など、事務手続きを担当する部署に連絡するのが効果的です。直属の上司ではなく、客観的に対応してくれる部署を選ぶことがポイントです。
電話での請求方法と注意点
電話で連絡する場合は、感情的にならず、事務的に要件を伝えることが大切です。「退職に伴う源泉徴収票の発行をお願いします」と簡潔に伝え、郵送先の住所も正確に伝えましょう。
電話では記録が残らないため、いつ誰に連絡したかメモを取っておくことをおすすめします。また、発行までの期間も確認しておくと、その後の対応がスムーズになります。
内容証明郵便を使った確実な請求方法
電話での請求に応じてもらえない場合は、内容証明郵便を使って正式に請求しましょう。内容証明郵便は、いつ、誰に、どのような内容の文書を送ったかを郵便局が証明してくれる制度です。
法的な効力はありませんが、会社側に「本気で請求している」という意思を伝えることができます。多くの場合、内容証明郵便を受け取った会社は、トラブルを避けるために速やかに対応してくれます。
労働基準監督署に相談する
会社が源泉徴収票の発行を拒否し続ける場合は、労働基準監督署に相談することができます。源泉徴収票の発行は法的義務なので、労働基準監督署から行政指導を受ける可能性があります。
相談の際は、これまでの経緯(いつ、どのような方法で請求したか)を整理して伝えましょう。証拠となる資料があれば、一緒に持参することをおすすめします。
相談の流れと必要な準備
労働基準監督署への相談は、平日の日中に行う必要があります。事前に電話で相談内容を伝え、必要な書類や資料を確認しておくとスムーズです。
準備する資料としては、退職を証明する書類(退職届のコピーなど)、これまでの請求記録、会社の基本情報(住所、電話番号など)があると良いでしょう。
行政指導による効果
労働基準監督署から会社に連絡が入ると、多くの場合は速やかに源泉徴収票が発行されます。会社にとって行政機関からの指導は重大な問題なので、無視することは難しくなります。
ただし、行政指導には時間がかかる場合もあります。急いで源泉徴収票が必要な場合は、並行して他の方法も検討することをおすすめします。
源泉徴収票の請求で使える具体的な文例
実際に源泉徴収票を請求する際の具体的な文例を紹介します。状況に応じて内容を調整して使ってください。
退職代行業者に依頼するときの伝え方
退職代行業者に源泉徴収票の件を依頼する際は、以下のように伝えると良いでしょう。
「お疲れさまです。退職手続きでお世話になりました○○です。源泉徴収票がまだ届いていないため、会社に発行をお願いしていただけませんでしょうか。郵送先は〒123-4567 東京都○○区○○1-2-3 山田太郎宛でお願いします。転職先での手続きで必要なため、できるだけ早めに対応していただけると助かります。」
具体的な住所と期限を伝えることで、業者も会社に正確な情報を伝えることができます。また、なぜ急いでいるのかの理由も添えると、優先的に対応してもらいやすくなります。
会社に直接連絡するときの話し方
会社に直接電話する場合は、以下のような流れで話すと良いでしょう。
「お疲れさまです。○月○日に退職いたしました○○と申します。源泉徴収票の件でお電話いたしました。転職先での年末調整で必要なのですが、まだお手元に届いていない状況です。恐れ入りますが、〒123-4567 東京都○○区○○1-2-3 山田太郎宛に郵送していただけませんでしょうか。いつ頃発送予定か教えていただけると助かります。」
丁寧な言葉遣いを心がけ、相手を責めるような表現は避けましょう。あくまで事務手続きの一環として、冷静に対応することが大切です。
内容証明郵便の書き方例文
内容証明郵便を送る場合の文例を紹介します。
「源泉徴収票交付請求書
○○株式会社
代表取締役 ○○様
私は、令和○年○月○日まで貴社に勤務しておりました○○○○(氏名)です。
所得税法第226条により、源泉徴収票の交付を請求いたします。
退職日から1か月以上経過しておりますが、いまだに源泉徴収票を受け取っておりません。つきましては、本書面到達後1週間以内に、下記住所宛に源泉徴収票を郵送くださいますようお願い申し上げます。
郵送先住所:〒123-4567 東京都○○区○○1-2-3
氏名:○○○○
令和○年○月○日
○○○○(署名)」
内容証明郵便は形式が決まっているため、郵便局で書き方を確認してから作成することをおすすめします。
源泉徴収票がどうしても手に入らないときの対処法
あらゆる方法を試しても源泉徴収票が手に入らない場合の最終手段を紹介します。完全に諦める必要はありません。
給与明細で代用する方法
源泉徴収票の代わりに、1年分の給与明細を使って確定申告を行うことができます。ただし、すべての給与明細が揃っている必要があり、支給額、控除額、源泉徴収税額が明確に記載されていることが条件です。
給与明細を使用する場合は、事前に税務署に相談することをおすすめします。書類の不備があると、後から追加資料を求められる可能性があります。
税務署で「給与所得の源泉徴収票不交付の届出書」を提出
会社が源泉徴収票の発行を拒否し続ける場合は、税務署に「給与所得の源泉徴収票不交付の届出書」を提出することができます。この届出書を提出すると、税務署から会社に対して行政指導が入ります。
届出書の提出により、多くの場合は会社が源泉徴収票を発行してくれるようになります。税務署からの指導は会社にとって重大な問題なので、無視することは困難です。
転職先の人事担当者への相談方法
転職先の人事担当者に事情を説明し、対応方法を相談することも大切です。経験豊富な人事担当者であれば、同様のケースを扱ったことがあり、適切なアドバイスをもらえる可能性があります。
「前職で退職代行を利用したため、源泉徴収票の受け取りに時間がかかっています。年末調整に間に合わない場合の対応方法を教えていただけませんでしょうか」と正直に相談してみましょう。
転職活動への影響を最小限に抑える方法
源泉徴収票の問題が転職活動に与える影響を最小限に抑えるための対策を紹介します。
転職先への事前説明のタイミング
源泉徴収票の件で問題が起きそうな場合は、転職先に事前に説明しておくことが大切です。入社後に問題が発覚するよりも、事前に相談しておく方が印象が良くなります。
説明するタイミングは、内定が決まった後の入社手続きの段階が適切です。「前職の退職時に一部手続きで時間がかかっており、源泉徴収票の受け取りが遅れる可能性があります」と伝えておきましょう。
入社日を調整して書類準備の時間を確保
可能であれば、入社日を少し遅らせてもらい、源泉徴収票を確実に受け取る時間を確保することも検討してみてください。多くの企業は、合理的な理由があれば入社日の調整に応じてくれます。
「前職の書類手続きで少しお時間をいただきたい」と相談すれば、理解してもらえることが多いです。無理に急いで入社するよりも、準備を整えてから入社する方が双方にとってメリットがあります。
代替書類での対応について人事と相談
源泉徴収票以外の書類で対応できないか、転職先の人事担当者と相談してみましょう。会社によっては、一時的に給与明細での対応を認めてくれる場合があります。
また、源泉徴収票が後日届く予定であることを説明し、届き次第すぐに提出することを約束すれば、柔軟に対応してもらえる可能性があります。
今後同じトラブルを避けるための予防策
将来的に同じような問題を避けるための対策を紹介します。
退職代行選びで確認すべきポイント
退職代行サービスを選ぶ際は、退職後の書類手続きについてもサポートしてくれるかどうかを確認しましょう。源泉徴収票だけでなく、離職票や雇用保険の手続きについても対応範囲を聞いておくことが大切です。
また、弁護士が運営するサービスの方が、法的な問題に対して適切に対応してくれる可能性が高くなります。料金は高くなりますが、トラブルを避けるための投資と考えることもできます。
退職前に準備しておくべき書類
退職代行を利用する前に、必要な書類について整理しておきましょう。源泉徴収票以外にも、離職票、雇用保険被保険者証、年金手帳など、転職に必要な書類は複数あります。
これらの書類がどこにあるか、どのような手続きで受け取れるかを事前に確認しておくことで、退職後のトラブルを避けることができます。
退職代行業者との契約で確認すべき内容
退職代行業者と契約する際は、サービスの範囲を明確に確認しておきましょう。「退職の意思を伝えるだけ」なのか、「必要書類の受け取りまでサポート」してくれるのかで、その後の対応が大きく変わります。
また、追加料金が発生する可能性がある場合は、事前に説明を受けておくことが大切です。後から予想外の費用を請求されないよう、契約内容をしっかりと確認しましょう。
まとめ:源泉徴収票は必ず取得できるので焦らず対処しよう
退職代行を利用した後に源泉徴収票がもらえなくても、焦る必要はありません。会社には法的な発行義務があるため、適切な手続きを踏めば必ず受け取ることができます。まずは退職代行業者に相談し、それでも解決しない場合は自分で会社に連絡するか、税務署に相談しましょう。
転職先への影響を最小限に抑えるためには、事前の説明と相談が重要です。問題が起きそうな場合は、早めに転職先の人事担当者に相談することで、柔軟な対応をしてもらえる可能性があります。源泉徴収票の問題は一時的なものなので、冷静に対処していけば必ず解決できます。
























